青木平チェーンソーアート物語 第四章
第四章 現実 〜 Helloベア 〜
青木平チェーンソーアート製作のトリにお迎えしたのは
世界チェーンソーアート競技大会クイックカービング部門第3位に
入賞されるなど、チェーンソーアート界で高名なアーティスト
南部町在住の久保田泰さん。
(鈴木さんや近藤さんの師匠にあたるお方だそうです)
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青木平の人たちにリアルなチェーンソーアートを
紹介したいと語られた久保田さんの作品は
” ふくろう ” と ” Helloベア ”
まるで生きているかのような表情を見せる
リアルだけれどどこか愛らしい動物たちからは
アーティスティックで不思議な魅力を感じます。
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ところで、皆さんがHelloベアをご覧になったときに
思い出して欲しいエピソードがあるんです。
実は、久保田さんが作品製作に取りかからんと
チェーンソーで削り始めた木は、想像以上に虫に喰われていて
素手でちぎることが出来るほどボロボロの状態
であることが、そのときに初めてわかったのです。
それは、久保田さんが思い描いていた作品が
作れないという大変なアクシデントでした。
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製作は中断となるだろう、申し訳ないことになってしまった
と案ずる武井区長たちを尻目に、久保田さんはチェーンソーを
止めることなく削り続けていました。
久保田さんが、瞬時に発想の転換をし、新しいアイデアで
アクシデントを見事に乗り越えて作り上げたのが
ちょっぴりスマートなHelloベアだったのです。
それは、虫に蝕まれ伐採される運命だった枯木がまたひとつ
生まれ変わることの出来た瞬間でもありました。
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Helloベアをいろいろな角度から眺めて見てください。
とっても表情豊かで「こんにちは」と話しかけたら挨拶の言葉が返ってくるような
なんだかおしゃべりを始めそうなそんな気がしてきます。
お散歩の途中にでも立ち寄って見てください。
青木平のクマさんはとても優しげです。
第五章に続く
編集部 Atsuko