青木平チェーンソーアート物語 第一章
第一章 夢
青木平という町は、閑静な住宅地です。
中央を通る車道の脇には、歩道があり街路樹が並んでいます。
自然が豊かで、町の外周に広がる森の中には遊歩道があり
季節折々の景色や野鳥の声を楽しむことも出来ます。
また、土地に高低差があることが幸いしてか、町のなかには
富士山がとても美しく見える絶景ポイントがあったりします。
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そんな町の雰囲気からか、多くの芸術家(画家・陶芸家
音楽家・書家・カメラマン)の皆さんが居住する町でもあります。
そして、ここ青木平には将来ビジョンなるものがあって
きれいで生き生きとした楽しい町づくりが進められています。
そんな日々の暮らしの中で、枯木の目立ち始めた街路樹が
気にかかった武井区長。
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「枯れてしまった木を根元から伐採するのは容易だけれど
枯木とはいえ太く大きく育った木を何とか青木平のために
役立つものとして蘇らせてあげたい」
「伐採した枯木の切り株で動物を作ったら殺伐とした風景が
アートに変わって子供たちが喜ぶんじゃないかな」
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武井区長が思い描いた
『チェーンソーアートの並ぶ楽しい町』
『アートの町づくり』
のイメージを初めて話してくれたのは
3年前のホームページ委員会でのことでした。
「本当に実現したらいいのになぁ」
まるで夢のような話を私たちはさらりと聞いていました。
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「夢はまず声に出してみることが大切なんだよ」
夢を実現するための武井区長の活動は、その日その時から始まりましたが
街路樹の持ち主である富士宮市役所 道路課との話し合いが必要だったり
肝心のチェーンソーアーティストには心当たりが全くなかったので、ひとづてに聞き込みをしたり
チェーンソーアートのお店がある清里まで濵田副区長と共に何度も足を運んでみたりと
『アートの町づくり』に立ちはだかる現実的な課題との奮戦もここからが始まりでした。
そして、3年の月日があっという間に過ぎて行きましたが
大きな進展もなく、このまま膠着状態が続いていくように思われました。
ところがある日突然に、市役所の方のお知り合いだというチェーンソーアーティスト
鈴木さんとのご縁が繋がったのです。
「チェーンソーアーティストが見つかったよ」
私たちにそう話してくれた武井区長の笑顔が嬉しそうだったこと。
青木平の思いに共感してくれたチェーンソーアーティスト鈴木さんとの出会いは
3年間諦めることなく願い続けてきた『アートの町づくり』の夢の実現を
ものすごいスピードで推し進めてくれることになりました。
第二章に続く
編集部 Atsuko
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